各種検査

01胃がんリスク検診【ABC検診】

胃がんリスク検診

胃がんリスク検診(ABC検診)とは、採血だけで胃がんのなりやすさが分かる検査です。特に胃透視(バリウム)や胃カメラは苦手だけど、胃がんのリスクを知っておきたい方にお勧めです。

・ピロリ菌に感染しているかどうか (ヘリコバクター・ピロリ抗体価検査)
・胃粘膜の萎縮があるかどうか (ペプシノーゲン検査)

この二つの検査結果の組み合わせで、あなたの胃がんのリスクを判定します。
(胃がんを見つける検査ではありません)

【ABC検診判定基準】

ABC分類
ペプシノーゲン
(-)
(-)
(+)
(+)
ピロリ菌
(-)
(+)
(+)
(-)
胃がん発生リスク
非常に低い
やや高い
高い
非常に高い
胃がん発生頻度
ほぼ 0
1/1,000人
1/400人
1/80人
胃がんのリスクは低いが、自覚症状があるときは受診してください。5年に1回は内視鏡検査が必要です。
年間胃がん発生頻度は約1,000人に1人です。2~3年に1回は内視鏡検査が必要です。
年間胃がん発生頻度は約F400人に1人です。1~2年に1回は内視鏡検査が必要です。
胃がんの発生頻度が極めて高く、年間発生頻度は80人に1人です。毎年の内視鏡検査が必要です。

※注意 次の方は胃がんリスク検診(ABC検診)を受けることができません。

 ・明らかに上部消化器症状のある方、または治療中の方
 ・胃酸抑制剤(プロトンポンプ阻害剤)を服用中の方(2か月以内に服用した方も含む)
 ・ピロリ菌の除菌治療を受けた方
 ・手術で胃の切除を受けた方
 ・腎機能の悪い方(クレアチニン3mg/dL以上)



02ピロリ菌検査

ピロリ菌検査

平成25年2月から、萎縮性胃炎などのヘリコバクター・ピロリ菌に起因した慢性胃炎の患者さんに対しても、除菌治療が保険適応となりました。

ピロリ菌は、50歳代以上の感染率が70%以上とされ、ピロリ菌感染者は非感染者の3倍以上の確率で、胃がんが発症すると言われています。

ピロリ菌除菌治療の保険適応の拡大により、胃がんの発症数が大幅に減少することが期待されます。

ピロリ菌の除菌治療を受けるに当たっては、内視鏡による慢性胃炎の診断とピロリ菌の確認が必要です。


ピロリ菌って?

一度はピロリ菌の名前を聞いたことがある方も多いと思います。
ピロリ菌は胃の粘膜に生息している細菌で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃ガン、萎縮性胃炎などの原因として注目されていてます。
胃を中心とした病気の予防、治療にピロリ菌を除菌することは重要です。


ピロリ菌検査



ピロリ菌と胃がんの頻度

ピロリ菌は胃炎ではほぼ100%に、胃潰瘍で90%(陽性者の5%)、十二指腸潰瘍で100%近くに陽性です。また慢性胃炎は胃癌発生の母地(もと)といわれています。胃癌の患者では90%以上でピロリ菌が陽性で、陰性者は非常に稀です。ピロリ菌の陽性者では、陰性者と較べて胃癌の発生率が6~22倍になるといわれています。


ピロリ菌の検査方法

(内視鏡による検査)

・内視鏡を挿入し、組織を採って調べます。

(内視鏡によらない検査)

・尿素呼気法・・・検査薬を服用後、呼気を分析して調べます

・採血による方法

・検便


ピロリ菌の除菌方法

抗生剤ほか3種類の飲み薬を一週間内服するだけですから、注射も入院も不要で平均80%が除菌に成功します。



03大腸がん検診

大腸がん検診

依然としてガンは日本人の死因の第一位です。中でも食生活の変化などにより、大腸ガンは増加の一歩をたどり、 ガンによる死因の一位を占めてきた胃がんを追い越す勢いです。特に女性では、罹患数、死亡数ともに胃がんを抜いて一位を占めています。

大腸ガンが進行すると、腫瘍からの出血や、腸管が狭くなるために便秘・下痢を繰り返すなどの症状がでます。

しかし、大腸がんは早期のうちは特に症状がありません。そのためほとんどの方が自覚症状がなく、検診で見つかることが多いのです。


大腸ガン検診のススメ

大腸ガンは、早期ガンから進行ガンへと進みます。
早期ガンはポリープから発生するものと、正常の粘膜から発生するものがありますが、早期ガンで発見された場合は100%近く完治します。

大腸ガン検診は大腸内視鏡検査以外にも、便潜血検査、注腸検査があります。

早期発見のためには大腸ガン検診を毎年受診されることをお勧めします。



04甲状腺疾患について

甲状腺疾患

甲状腺は、首の前方、のどぼとけの下あたりにあって、蝶が羽を広げたような形をしています。通常、甲状腺は首を触ってもはっきりわからない程度の小さなものです。甲状腺は、甲状腺ホルモンを作り分泌している内分泌腺で、甲状腺ホルモンには、新陳代謝を活発にする働きがあります。

甲状腺疾患は多く、わが国では潜在的患者も含めて1,000万~2,000万人いると言われています。中でも甲状腺自己抗体陽性の橋本病は成人女性の約10%にみられ、男性でも5%に見られると言われています。 また、バセドウ病もわが国の全人口の数百人に1人いると考えられています。

甲状腺疾患は自分では症状を自覚しないうちに進行することがあります。簡単な検査(採血・エコー等)で病態を正しく診断できて、内服治療だけで症状が楽になられた方もたくさんいらっしゃいます。


次のような症状が思い当たる方へ

・いくら食べても太らない

消化器系の病気以外にも、バセドウ病、糖尿病でも同様の症状が見られることがあります。
バセドウ病は主に血液検査で診断でき、多くの方は内服にて治療ができます。


・冬の寒い時期でも長袖も着ずに暑がりだ

「単に暑がりなだけ」と決めつけてはいけません。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)でも同様の症状が見られることがあります。


・何もかも面倒。人に会うのもイヤだ

ストレス社会でうつ病が増加しているので、精神科や心療内科を受診しがちですが、甲状腺機能低下症(橋本病)でも同様の症状が見られることがあります。
橋本病は、採血検査で診断でき、内服薬で治療ができます。


・最近太ってきた

多忙・ストレスなどによる過食の原因が明確でない場合、甲状腺機能低下症など、他のホルモン系の疾患の可能性があります。


・体がだるい、疲れやすいと感じることが多くなった

色々な原因で疲労感を感じますが、橋本病でも同様の症状が見られることがあります。


・首が太い、喉がはれていると言われる

バセドウ病や橋本病、または甲状腺の腫瘍のこともあります。甲状腺腫瘍でも大きな腫瘍、悪性の腫瘍の場合は手術となることもあります。



05メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上をあわせもった状態のことです。男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームとその予備軍と言われています。

H20年4月からメタボリックシンドローム対策として40歳以上を対象に従来の検診に腹囲の計測が加わる特定健康診査がスタートします。

検診の結果、メタボリックシンドローム該当者やその予備軍となった人は、栄養・運動など生活習慣改善の指導を受けることになります。


メタボリックシンドロームの診断基準

腹囲に加えて、脂質または血圧または血糖値のうち2つ以上の項目に該当する場合にメタボリックシンドロームと診断されます。


ピロリ菌検査


肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病は、それぞれが独立した別の病気ではなく、内臓脂肪の蓄積が原因した一連の病気であることがわかってきました。

放置すると、動脈硬化を起こし、しいては脳梗塞や心筋梗塞など将来の大きな病気を引き起こしやすくなると言われています。
生活習慣を改善して内臓脂肪を減らすことで、メタボリックシンドロームを予防、改善しましょう。


生活習慣チェック

思い当たる項目が多い人は要注意です!

1
たばこを吸う
2
お酒を毎日よく飲む
3
定期的な運動をしていない
4
休養が不足がちである
5
睡眠不足が続いている
6
朝食をとらない
7
いつもお腹いっぱい食べる
8
野菜はあまり食べない
9
納豆・豆腐類を食べない
10
乳製品をあまり食べない
11
塩分の濃い食事が好きだ



メタボリックシンドロームを改善するために

食事
高脂肪、高カロリー、高ショ糖、低繊維食に注意!
アルコールはほどほどに
運動
ウォーキング、水泳、ジョギングなど
週に3日、30分以上の運動をしましょう
禁煙
禁煙治療がおすすめです
薬物療法
高脂血症、糖尿病、高血圧、動脈硬化の治療